虫歯は細菌の繁殖によって起こります。歯の表面や隙間、歯と歯茎の間の歯周ポケットに食べかすがたまり、それが細菌の働きで歯垢となって歯の表面を溶かしていきます。歯垢は時間がたつと歯石となり、歯石には汚れがつきやすいため更に虫歯や歯周病になる危険が増していきます。
虫歯になる原因は大人でも子どもでも一緒ですからその治療法も変わりません。基本的には虫歯になってしまった場所を削って詰め物をしたり、クラウンという被せものをしたりします。あまりに悪化してしまい、それでは歯としての形状を保つことできないようなときはやむを得ず歯を抜く場合もあります。
歯を抜いたときは、そのままにしておくと残された歯が移動して歯並びが悪くなり、噛み合わせに問題が出てきます。歯を回復するためにブリッジや入れ歯、インプラント治療を行います。
希望してもアゴの骨が成長過程にある子どもにはインプラント治療を行わないのが一般的です。部分入れ歯やブリッジで補って、成長が止まる18〜20歳を過ぎてからインプラントを埋め込む治療ができるようになります。
子どもの虫歯は進行が早いのが特徴です。その原因は乳歯が永久歯に比べると弱いことです。乳歯は歯を守るエナメル質の層も薄く、おまけにサイズも小さいため、あっという間と神経まで虫歯が達しています。子どもが「歯が痛い」といいだしたときには、すでにかなり悪化してしまっていることが珍しくありません。
どうせ乳歯は抜けてしまうのだからと放っておくと、虫歯菌が歯茎の中に入り込んでまだ生えてきていない永久歯まで虫歯になってしまうことがあります。
痛んでいたはずの虫歯がある日突然痛くなくなってしまうことがあります。痛みが伴うようになった虫歯が自然に治ってしまうことはまずあり得ません。これは虫歯が悪化して、歯の神経を殺してしまったせいです。
そのまま放っておくと虫歯菌が歯茎や骨を伝わって、全身に広がり内臓疾患や関節炎を引き起こすことだってあります。虫歯だったはずの子どものが(大人もですが)「もう痛くない」と言い始めたらそれは危険信号です。
歯医者が好きな子どもはいません。でも、歯医者を嫌いにさせしまったのは親の責任でもあります。虫歯になり痛みを伴ってからの治療は時間もかかりますし歯への負担も大きくなります。そうなる前に診察を受けることが大切です。
虫歯というのは原因がハッキリとわかっている病気ですから、肝心なのは予防治療です。当院で定期検診を受けていれば原因を取り除くことができます。虫歯になりにくい治療を施してもらうことも可能ですし、虫歯にならないホームケアの方法もアドバイスいたします。
いざ虫歯が見つかったときも、早期の発見ですから治療は短期間で済みます。歯医者に通う習慣ができていれば子どもも通院を嫌がりません。悪化したときの治療に比べれば費用面の負担も軽くなります。
歯科医は虫歯にかかってから治療するためよりも、そうならないための予防治療の場として活用するべきです。
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